Posted by きなねこ - 2013.07.23,Tue
ガイルク、マイソロ3
2012/5/29 初出
2012/5/29 初出
請け負ったクエストやらなにやらの用事でみなが出払ってしまえば、暫くは勝手に出来ると思ったのもつい数刻前の話だ。
みんな、とは言ってもバンエルティア号に乗ってる全員のことではなく、あくまでルークたちライマの人間のことだ。
上からだか国からだかなんだかは知る由もないが、ジェイドはルークに基本的に外出を禁じており、他の面々も概ね同意ということで、滅多にクエストを任されず当然外に出ることも出来ない。
脅威から大事な御身を守る為等、勿論並べ立てられた理由はいくつもあるが、そんなあってないような(とルークは思っている)名目はルークにとって知った所ではないので当然不満が募る。
唯一味方と言っていいガイが乗船時には居らず、ヴァンとティアに隠れて彼を迎えに行く瞬間まで軟禁は続き、合流してからガイの交渉で漸く簡単なクエストを回して貰えるようになった次第だ。 それでも一週間に1、2度出して貰えればかなり良い方だったし、こうやって今日のように殆ど周りの者が出払えば当然どんな理由があっても外出は話にもあがらなくなる。普段ならガイが気を利かせて船に残り、暇つぶしの相手をしてくれるのだが、彼にだって用事や仕事はある訳で、そういう時は本当に暇に食い潰されそうになってしまう。
仲のいいクレスやロイド、いつもちょっかいをかけてくるユーリは勿論みな腕が立つので日中はクエストに出てしまっていることが多く、変わりに暇つぶしに付き合わせることも叶わない。
最初こそ小言の多いティアにナタリア、顔を突き合わせれば喧嘩にしかならない弟のアッシュに、監視の目を光らせている上にイヤミまでついてくるジェイドが一同に外出するというなら自由じゃないか!と思ったが、ヴァンはアッシュのクエストに着いて行くと言うし、ガイも用事で日中は部屋を空けると言って本当に一人になってしまった。 因みにアニスはジェイドの補佐で一緒に出て行ってしまったが、普段あまりルークから積極的に関わることはないし、本当にみんな居ないのだという実感を突き付けられるに終わった。
そんなこんなで暫くは船内を一人で歩き回って船内に残るメンバーに構って貰っていたのだが、全体の1/3も人が残っていないバンエルティア号はひどくガランとしていて、受付で目の下にクマを作ったアンジュに話し掛ければ、期間の短い依頼が酷くたまっていて人手が本当に足りないと少し困ったような笑顔を返されたのだった。
そんなに忙しいなら自分だって出ていけるのに、と機嫌が下降するが、自分の外出は色々な条件の元ガイが交渉して得てくれた大事な権利だからこれ以上ワガママを言う訳にも行かない。ゴネて取り消されてしまったら今度こそ食い潰されるどころか、暇に食い殺されてしまうだろう。 キッチンで暇を持て余していた時にクレアから貰ったドライフルーツのたっぷり入ったマフィンを胃に収めると、いよいよやることがなくなって、ルークはあてがわれた部屋で不貞寝するしかなくなってしまった。
「つまんねー…早く帰ってこいよお…」
がい、と口の中で名前を呟く。
思わず飛び出た独り言は少しだけ部屋に響いて、また先程までのシーンとした空気が続く。
不貞寝と言っても一日何もしていないルークに眠気などさっぱりで、ロックスが綺麗に整えてくれたシーツが満遍なくぐちゃぐちゃになるまで寝返りを打つと、また動くのが億劫になってベットに大の字になるの繰り返しで、気付いたら半分シーツがベットからずり落ちていた。 こんなに暇でも直すのが億劫でだらだらしていたが、後でティアに見つかった時にまた説教が飛び出してきかねないし、何より寝心地が悪い。渋々ベットから降りて引っ張りあげると、おざなりに整えてまた寝転がる。
大したことはしていないのに、ここでドッと疲れて目を瞑ると緩やかに睡魔が襲ってくる。漸くきた眠気に、帰ってきた誰かに叩き起こされるまで眠ってしまうことにした。
「ん…、」
ふっ、と意識が浮上して小さく唸ると、酷く体が熱くてしかも重たい。
なんだ、と思う間もなく未だ弛緩している体に何かが圧し掛かっていて、顔の横と首の辺りに何かが擦りよっている。
(え、え?)
耳元で少し浅い呼吸音がして、今目の前にある重みは生き物が持ち主だと分かるも、それが益々ルークの頭を混乱させる。 ルーク、と聞き慣れた、しかし平時もよりも幾分か低い、随分熱っぽい声が耳に入り込むと同時に一気に意識が覚醒した。
(ガイっ…?なに、)
「あっ、」
腹の奥の方の、下腹部の裏側の辺りの内蔵の圧迫感が酷くてつい小さく声が漏れる。
首元にあるガイの頭が動いて、反射的に目を伏せる。何をしているのか、何をされているのか分からない内に起きていることを気取られてはいけない気がして、ルークは自分はまだ夢の中にいるというフリに努めることにした。
「ルーク、…」
耳殻に小さく口付けられたタイミングで、内蔵を圧迫するなにかが腹のなかをぐりぐりと動き回る。その動きに合わせたように内股がびくびくと跳ねて、ルークは自分が起きているのにガイが気付いているのではと気が気でなくなる。 それでもガイは一心に耳の裏や首筋に唇を這わせているようなので、取り敢えずはまだ気付いていないのだろう。
段々と頭の中も体も覚醒してくると緩慢だった感覚が急に戻ってきて、一気に色んな箇所の違和感に襲われる。
体中が熱を持っていて、胸はじくりと疼くし、勃起しているようで下腹部がひどく重い。それに内蔵に感じる圧迫はあろうことか尻の穴から埋まった何かが起こしていて、思わず喉がひゅっと鳴る。
静かな部屋にガイの吐息と、小さな水音が響いていて、状況把握に走っていたルークの頭はどうにかなってしまいそうだった。腹の中でルークを好き勝手にしていた何かがずるりといなくなると、圧し掛かっていたガイの体重が体から離れていく。ガイの手らしきものが体に這ってきて、腰骨から尻を緩く撫で回してきた。 きゅっと目を閉じてぞわぞわと背筋を這う何かに耐えていると、手のひらが膝間接の裏を掴んで、足を開かせながら体を折り畳むように持ち上げられる。勃起して濡れているであろう性器も先ほどまで弄りまわされていた尻穴も全てが凡そ今ガイの眼前に晒されていると思うと、熱かった体が更に熱を持った気がして、心臓の音が早くなる。思わず声が飛び出ないように呼吸を噛み殺していると、双丘の谷間に挟むように何かを押し当てられる。
緩く前後に動くそれは、体温の上がっているルークの体よりも酷く熱くて、固いそれの出っ張っている部分が尻穴に引っ掛かる度にひくつくような気がする。
ぬるぬるとした動きと感触に暫く耐えていると、そのまま流れるようにそれの先端らしき部分を押し付けられては、図らずとも肩が跳ねた。 ガイの意識がルークのそこに集中しているのが分かって、いちいちビクついて覚醒がバレてしまうことよりも、多分今からまた内臓に何か埋められてしまうことの方が心配で、うっすらと体が緊張する。
目を瞑っているルークには、ガイの挙動を見ることは叶わない。かわりにいやに聴覚が鋭敏で、ガイが息を小さく呑んだ音さえ耳に届く。
その次の瞬間に、先程とは比べ物にならない太さのものが押し入ってきて、思わず目を見開いてしまいそうになる。
「ひっ」
「はっ、…」
急に押し広げられる感覚が強くなって、先ほど擦りつけられた時のあの出っ張った部分だろうと合点する。一番太かったのであろう部分が収まると、そのまま無遠慮に深くまで押し込まれて足指の先がぴんと引き攣った。 ガイが満足する所まで納められたのか、動きが止まったと思うと起きた直後の時のようにゆっくりと圧し掛かられる。
再びガイの頭が首元に収まると、深いため息に似た呼吸が耳を擽る。多分この分だと暫く動かないだろうと適当にあたりをつけてうっすらと目を開けて今自分の体がどうなってるか確認することにした。
本当はそんなことしない方がいいのは分かっているし、実はほんの少しどうなっているか分かってはいたが、変な不安と期待が入り混じった好奇心に負けたのは言うまでもない。
(う、わ…)
ああでもやっぱり、と心の中で呟くと顔に体中の血液が昇ってくるように熱くなる。
無理矢理開かれた部分に、ぎっちりと怒張したガイの性器が埋まっている。視認した途端つい体に力が入って、意識の外で思わず締め付けるとどくどくと脈打っているのが分かる。 ルーク自身にそういった経験があった訳ではないが、勿論知識としてどういうことなのかは知っているし、それなりに会話に混ざったことだってある。だからこそ今ガイが自分にしていることが多分世間的にはちょっとずれたことで、しかもガイの中ではルークはまだ寝てることになっている筈なので、これが合意の上の行為ではないのは確かだ。
(こういうのって、好きな人とするって、でも)
「ごめん、ルーク、」
「は、あっ」
掠れた声で告げられた謝罪は随分浮いた音をしていて、それに気を取られていると急に体を揺さぶられる。
意識の外を突かれてつい息を吐き出す音が漏れるも、ガイの耳元で自分の名前を呼ぶ声と、急いたような荒い呼吸音に混じってしまった。 なるべく体に力を入れないように四肢を弛緩させようと努力するが、どうにも加減が出来ていないらしいガイの力で動かれていると本当に体を好き勝手にされてしまって、いつボロが出ないかとひやひやする。
それでも頭の中はこの行為の理由とか、切羽詰まったように断続的に呼ばれる自分の名前の意味とか、そんなことばっかりぐるぐる廻っていて意識が色んな方向に散漫してしまった。
「ルーク、ルーク、おれの、」
「っ、ふ、」
「ルークっ…」
乱暴に突きあげていただけだったのが、緩くうねる肉の感触を確かめるようにゆっくりとした注挿に変わる。
最初の内は肉を開かれて引き攣れるように痛んだ内壁が、ずるずると出ていくガイに絡むのに気付いて、ごくりと喉が鳴った。(なんか、もうよくわかんねえ、けど)
(これ、気持ちいかも、)
そう認識した途端に、ずくりとした快感が身を擡げて我慢出来ていた全てが急に耐えられなく感じてくる。
胸に溜まった酸素を偶に吐きだしてやり過ごしていたのがどう考えても無謀に思えてきて、横に投げだしていた手でシーツに爪を立てた。
根元まで埋まった性器を奥に擦りつけるように、ぐりぐりと中を掻きまわされて腰が跳ね上がる。
耳の裏側から襟足までべろりと舐めまわされ、耳たぶを歯で挟んだまま引っ張られるとじわりと涙が滲んできて、もうどうにでもなれと思ってしまった。
「悪い、」
「っ、う、あ、ぁ」
濡れた耳に吹き込むように何か囁かれたが、その意味を解する前に腹の深い所にじわりと何かが染みて喉が随分ひどい引き攣った声を漏らす。 きっとガイが体をきつく抱き締めて耐えるように動かないのが行為の終わりを告げているのだとしたら、今体の奥に吐き出されているのは多分ガイの精子で、自分の体はそれを浅ましく絞り取るようにガイを締めあげていて、ひどく頭がくらくらする。ガイの方も全部を体内に出し切りたいのか、腰をぐいぐい押しつけてきてつい体がずりあがる。
終わったのか埋められていたガイの性器が抜けていくと、中に吐き出されたぬるい温度がだらしなく垂れてきて体が震えた。
力を抜くように意識していたつもりだったのにそうでもなかったようで、緊張が解けた体からふっと力が完全に抜ける。緩やかな倦怠感に身を任せて、フリでなく本当に寝てしまおうと思えば、唇に口付けられて一瞬意識が浮上する。 何度か軽く口付けたあと、こじ開けるように舌でなぞられる。特になんの抵抗もせず好きにさせていると、口の中を思いっきり舐めまわされて、小さく唸ってしまった。
随分しつこいキスにまあまあ辟易していると漸く満足したのかガイが離れていく。閉じた目元にちゅっと音を立てて唇を寄せられるのに、こういうのってきっと恋人とかにするんだろうなあとまるで自分は全く関係ない所のことのように考えていた。
「ルーク、好きだよ」
(あ、やっぱり)
さっきまでの無体が嘘のように、壊れ物を扱うような手つきで頭を撫でるガイがなんだかおかしい。
(もうなんでもいいや)
考えるのが面倒になって、先ほどうたた寝る時のように誰かに叩き起こされるまで眠ることに決めると、小さく息をついた。
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