Posted by きなねこ - 2013.07.23,Tue
――ガイがルークに出会ったのは、ガイが十四でルークが十の時だ。
庭師として働いていたペールの伝手で、ファブレ家の年頃の双子の傍付として召抱えられた。
最初こそ二人に付いてまわっていたが、気が付いたらルークの護衛剣士として仕事に就くようになっていたのだった。
理由は簡単で、ルークがガイに懐いたからだ。数多の使用人の手を焼かせてきたルークをうまくあしらう(ように周りには見えていたのだろう)ガイに面倒ごとを押し付けたとも言える。
アッシュも勿論ガイを慕っていたので、この決定は元々悪かった兄弟仲にまたひとつ小さな傷をつけたのだろう。
ただ、アッシュの方はそう言った兄を贔屓される決定を我慢できる自分に美徳を感じていた節が決してないとは言えず、表面上は丸く収まったのだった。
ルークとアッシュの王位継承のための旅について出て間もなく、諸事情により一行がギルド・アドリビトムの拠点でバンエルティア号に身を寄せることになった時、所用で外していたガイは一足遅く乗船することになった。
離れてルークが機嫌を損ねていないか心配になりながら手紙を送ると、タイミングをあわせたかのようにアドリビトムの仲間を一人連れてこの気ままな主人が迎えに来てしまい、後でジェイドにそれとなく説教を受けたのは記憶に新しい。
国でよく顔を合わせていた面子とは言え、ルークからしてみたら味方は従者であるガイ一人だったので仕方ないとも言える。ヴァンのことも酷く慕ってはいるが、心を許す友人というよりはやはり敬愛する師の域をでない。国や屋敷からの命令で船に軟禁されていたのもひとつの原因だろう。
色々な条件をつけて簡単なクエストくらいはまわしてやって貰える様に交渉してやれば、ルークはいつものようにさすがガイ!と笑いかけてくるのだった。
「えっ、皆も船を空けるのか」
「皆も、ということは貴方もですか」
参りましたね、とジェイドがさして困っていないように漏らす。
ルークとアッシュの近況の報告はガイの仕事で、普段なら書簡を用意して飛ばしても構わないのだが、現状が現状でどうしても直接町に降りて使者に報告を行わねばならなくなってしまった。
そのことでジェイドに皆の予定を確認しに行けば、その日は皆が用事で船を降りてしまうそうだ。
軟禁の監視という名目もあるし、ルークから基本的に目を離さないように言い付かっているのでガイが船を降りる用事がある時はジェイドに頼んでいたのだが今回はそうも行かないらしい。
「どれくらいで戻る予定なんだ?」
「そうですね、私の用件は会合ですので早くても明日の昼過ぎになりますね」
「随分遅いな…」
「アッシュ達もクエストで遠出すると言っていましたし、帰りは明朝になるでしょうね」
「ティアも軍の用件で明日になるって言ってたしな…仕方ない、俺がなるべく早く戻るようにするよ、どうせ書簡を渡したら終いだ」
「それが懸命でしょうね、ルークもガイがいれば癇癪も起こさないでしょう」
「あのな…」
視線できちんと見張っておけと言外に含むジェイドに、ガイは小さな溜息をつく。
別れて宛がわれた部屋へ踵を返しながら、どうあの坊ちゃんを言い含めようかとガイは思案するのだった――――
予定よりも早く仕事が片付いたガイは、出てくる前こそ機嫌取りに何か土産でも買っていこうなどと考えていたが、すっかり抜け落ちて急いで船の待機場所へ戻った。
普段なら時間を合わせて迎えに来てもらうのだが、船内の人間の大半がクエストで散り散りになってしまっているので、効率よく仲間を回収するために暫く停泊してから順にまわることにしたらしい。
都合の良い事にその停泊先がガイの落ち合う予定のある町だったので、さっさと船に戻ることで頭がいっぱいになっていた為だった。
ルークと仲良くしてくれているクレスやロイド、他の近い年頃のメンバーはあらかたクエストに出払ってしまっていると聞いたので、今頃船内で暇を持て余したルークは部屋に戻って不貞寝でもしている頃だろう。
彼の行動が大体読めてしまう自分に口端がつい持ち上がる。もうそれだけ長い付き合いだ。
「あら、ガイ。おかえりなさい」
「ああ、アンジュ。お疲れみたいだね」
「ふふ、ありがとう」
受付で熱心に書類に目を通しては時折目を押さえるアンジュに帰還報告をしに向かうと、少し疲れが隠せていない笑顔で迎えられる。
一気にクエストが溜まってしまったとかで、船内ががらんとしている理由がこれだった。
「大丈夫かい?受付を離れられないようなら何かキッチンから持ってこようか」
「本当?ちょっと頭を使いすぎちゃったみたいで…甘いものがつまめると嬉しいかなあって」
「分かった、ちょっと待っていてくれ」
「ありがとう、助かるわ」
本当だったらガイも即戦力なのでクエストを請け負って欲しいのだろう。それでも乗船時にライマの面倒ごとを掻い摘んで説明されているようで、なるべくガイにクエストを振らないように気を遣ってくれている。
助けてあげたいのはやまやまだが、彼女の気遣いにしっかり甘えてしまっているのでこれくらいはお安い御用だ。
「ガイ様!お疲れ様です、お早いお帰りですね。何か飲まれますか?」
「ありがとう、じゃあ水を貰えるかい?」
「はい、少々お待ちください」
キッチンに入ればテーブルセットをしていたロックスが出迎えてくれる。さっと厨房に引っ込んで持ってきてもらった水を煽っていると、何かつまむかと聞いてくれるのに手をあげて大丈夫だと返す。
「それよりもアンジュに何か用意して貰えないか?甘いものがつまみたいそうだ」
「はい、かしこまりました!!今日は忙しいようで珍しくデザートも口になさっていなかったので心配していたのです!アンジュ様は本当にぼく好みの体型に近くいらっしゃるのですからきちんとそれを維持なさるようにですね…」
途中からぶつぶつと女子にとって恐ろしいことを口走りながら再び厨房に戻っていくロックスに苦笑していると、入れ違いでクレアが出てくる。
水場仕事をしていたのだろう、捲くっていた袖をなおしながらおかえりなさいと微笑まれて、思わずこちらも笑い返す。
「そういえば、ちょっと前にルークがキッチンに来たのよ」
「ルークが?腹でも空いてたのか」
「マフィンを渡したら喜んでくれていたみたいだからそうだったのかしら。でもルーク、なんだかとってもつまらなさそうだったわ」
「ん、うーん…あの坊ちゃんの退屈病は今にはじまったことじゃあないからなあ…」
「いつもはそうかもしれないけれど、今日はみんないないし、寂しかったんじゃないかしら」
苦笑していると、クレアがまた優しげに微笑む。本人が聞いたら顔を真っ赤にして否定するだろうが、概ねクレアの言う通りだろう。なにより、それはガイが一番分かっている
「アンジュには私が届けるから、部屋に戻ってあげて、ね、ガイ」
「…悪いね」
そもそもこんな慌てて戻ってきたのはルークの傍にいるためだ。アンジュのおやつのことを頼むとキッチンを後にして、さっさと部屋に戻ることにした。
部屋に戻ると、照明こそついているが酷く静かだった。
体を滑り込ませて静かにドアを閉めれば、案の定ルークがぐしゃぐしゃになったシーツにぼちぼち絡まりながらうたた寝ている。どうせ眠くもないのにベッドに寝そべってごろごろ暴れまわった挙句おざなりに自分で整えたという所だろう。
「ルーク、ただいま」
「…」
「一人にして悪いね」
規則正しい寝息を返すルークを起こさないように、ひっそりとした声で話しかける。グローブを外して自分のベッドに放り投げると、ルークが眠るベッドに腰を降ろした。ぎしりと軽くスプリングがなく。
体の下でぐしゃぐしゃになった髪を簡単に整えてやって、頭と首筋を撫でてやると擦り寄るように身動ぎしてくる。そのまま襟の中に掌を潜らせて鎖骨を辿ると、ん、とルークが唸った。
(参ったね)
二人きりの空間で静かに眠るルークを見ていると、屋敷から離れて久しく無縁だった感情が脳裏を掠める。
屋敷にいた頃は日がな一日二人きりというのもざらであった。ルークがガイを傍に置きたがった、というのもあるが。
それが旅に出て、バンエルティア号に乗船してからは殆どが団体行動だ。二人以外のライマの人間が出払っていても、船内はいつでも賑やかで、こんな静かな空間に二人でいるのは酷く懐かしいことに思えた。
クエストで出払っている他の皆のことは分からないが、ライマの人間が明日まで戻ってこないことはジェイドに確認済みだ。
「ごめんな」
自分以外誰も聞いていないだろう身のない謝罪が部屋に静かに響くのと、ルークの体に覆いかぶさるのは殆ど同時だった。
仰向けで暢気に惰眠を貪る主人を尻目に、ガイは慣れた手つきでルークの白いジャケットの前をあけてインナーを捲り上げる。そのままパンツにも手を伸ばすと、器用に剥ぎ取ってベッドの脇に落とす。
ルークがまだ夢の中にいることを確認すると、まだ薄い胸に唇を寄せて肌に吸い付く。痕が残らない程度に、肌の隆起を辿りながらなぞって、唇の端を掠めた乳首に軽く噛み付いた。
痕を残せない理由は、誰かに見つかったら困るからではない。――勿論それも困るのだが、この行為を知られては困る一番の相手はルークその人だからだ。
寝ている相手に合意もなにもないのだが、ルークからの合意は得ていない。得られるはずもない。
このひどく卑怯で、見つかったらとても言い訳の出来ない行為は、ガイの感情だけで滑っている。ガイが、欲を孕んだ慕情を長く腹の底に据えてきたのをルークは知らないはずだ。
この無体はこれがはじめてではなく、時折ルークの我侭で寝付くまで部屋を出て行くなと言いつけられた時に頻繁に働いていた。はじめてルークの吐息に昂ぶってその場で自身を慰めたのは、ガイが十八の時だ。ルーク専属の護衛剣士にと命じられて一年もしない頃だろう。
柔らかい頬に擦り寄って、唇に耳を寄せて、十四のまだ幼いルークの手を握りながら扱きあげた自身の性器の熱をいやに遠く感じながらその場で達した。
それから年を経るごとに少しずつ行為の内容はエスカレートしていって、最初こそルークを目の前に絶頂を迎えるだけで満足できたのが、今は眠る主人の体に無体を働いて、酷いときはルークの肌に性器を擦り付ける始末だ。
自身が酷く最低な行為を働いているのは分かっているし、長く親友として慕ってくれているルークを裏切っているのは重々理解している。しかし理解しているのはガイという男を理性的な出来た人間だと外部にたらしめてくれている、頭の隅の一角だけだ。
ルークに好意を持っているのに気付いたのがいつごろか覚えていない。もしかしたら会った瞬間から惹かれていたのかもしれないし、眠るルークを目の前に自身を慰めたその瞬間まで思っていなかったのかもしれない。
部屋を訪ねる人間が皆無だとしても、ここはあくまで共同生活を営む、多くの人間が行き交う船上だ。
長く触れていなかったがほどほどにしておこうと思いながら、舌先で遊んでいた乳首から唇を離して腹の方へとずれる。
ガイからしてみたらまだまだはったりと言わざるをえない、薄く隆起した腹筋に覆われたそこに舌を這わせると、溝を辿るように舐めあげる。へその中を緩く舐めまわすと、小さな声と同時に体がぴくりと跳ねた。
そのまま緩く勃起したルークの未発達な性器を敢えて避けて付け根に近い太股に緩く歯を立てると、今までと同じようにまた舌と唇で肌の上を滑っていく。時折小さく喘ぐように呻いているので、不快になっているわけではないだろう。
久々に味わうルークの肌に、まだ一度も触れていない自身もきつく張り詰めているのが分かる。
このまま思い切りルークの肌に噛み付いてしゃぶりつくしながら、一気に性器を扱いて熱を吐き出せたらどんなに気持ちがいいだろう。叶わない妄想に下半身が余計重くなるのを感じながら、先ほどわざと避けたルークの性器小さく口付ける。
自分でも慣れたものだと思わざるをえない調子で竿に舌を這わせてそのままぱくりと咥えてしまえば、今までで一番大きな声がルークから漏れる。
それに気をよくして裏筋を舌の腹でなぞりながら上顎に尿道口を擦り付けると、半勃ちほどだった性器が完全に硬くなる。口をすぼめて頭を動かしながら先走りを吸い取ると、いよいよもってルークの荒い呼吸と嬌声が断続的に聞こえてきて咥内から開放してやった。
ルークには可哀相だが、いつもならここでルークへの愛撫は終わりにしてこのまま自身を慰めておしまいにしてしまう。
だがどうしても屋敷にいた頃とは違う状況と環境が、頭の中を沸騰させるように思考をぐらぐらと滅茶苦茶にわかす。
今までは絶対に手を出さなかったソレに、今だったら触れても大丈夫かもしれない。
(大丈夫な訳あるか、何を考えてるんだ)
理性の柱を支える部分が何か頭の中で制止をかけている。だがそもそもそんなものがきちんと働いているなら、自身がこんな行動に走っているわけがないと、ガイはのぼせた頭でなんとなく納得した。
ガイの唾液とルークの先走りに濡れた彼の性器に指を絡ませると、おざなりに指先を濡らしてそのまま尻に滑らす。双丘に潜らせた指であたりをつけて探ると、きゅうと窄まった秘所にあたりついた。
そのまま中指を一つ目の間接まで埋めると、思ったよりもするりと飲み込んでいって、思わず喉を鳴らす。
(寝てるときは力が弛緩してるって、そういえば聞いたな)
変に冷静になった部分で状況を飲み込みながら、好奇心にかられてまだ一本目の指すら飲み込んでいない尻穴に人差し指も添えてゆっくり押し込む。
「ふ、ぁ」
「っ、」
ひくりと体を震わせながら漏れた存外大きなルークの声にすっと背筋が冷えて顔を伺うと、まだ眠りについてるようで安心から深い溜息が零れる。
ただこれくらいの無茶ではまだ起きないのが分かると、もっともっとと欲求が募る。それに素直に従って埋めた二本の指をゆっくり動かすと、暖かい内壁が時折きゅうと指を締め上げてきて酷く興奮する。
あまり強く刺激しないように気をつけて解すように指を折り曲げてみたり中を軽く広げながら、腕はそのままにルークの肩口に頭を押し付けて軽く圧し掛かる。
ぴったりとルークの体温に張り付いて、体内を暴くのに今まで感じたどんな快感よりも強い恍惚を覚えて、もしこのままルークの中に自身の怒張を埋めたらどんなに幸せだろうかと背筋が震える。
「ルーク…」
耳元に吹き込むように名前を呼ぶと、自分が想像していたよりずっと熱に浮かされたひどい声が漏れて、喉の奥で笑ってしまった。
「あっ、」
肩口に顔を押し付けているせいで、ルークの小さな喘ぎまですぐ近くに飛び込んでくる。
名前をもう一度呼んで、長い髪に隠れた耳殻に口付けながら体内に埋めた指で柔らかい肉をぐりぐりと押し上げると、体の下で内股が痙攣を起こしたように跳ねた。
ひとしきり耳の裏や首筋に口付けて満足してからずるりと指を取り払うと、ルークの体がまた小さく跳ねる。体を起こして腰骨を緩く掴んだ手で尻の方へ手を這わせる。
すっかり上気した肌が自分のなすがままにされているのが倒錯的で、浮ついた優越感に目を細めた。
もう十分ルークの熱は味わっただろう、いつものように甘やかな肌をたっぷりなぞって、かわいらしい性器に吸い付いて、今日はあまつあの熱く締め付ける柔らかい肉の温度まで味わった。
――でももしあの熱に自身の性器が包まれて、柔らかい肉に締め上げられたら。
気付けばルークの膝裏を掴んだ手で挿入しやすいように体勢を変えて、尻穴に性器を擦り付けていた。
完全に無意識の行動で、気付いた時に一瞬頭の中が白くなる。それでもとまらないのだから人間は性欲というやつにとことん弱い生き物なのだろう。
ここまでされたら流石にルークも起きるかもしれないとかそういうことは曖昧にしか頭になく、それよりもこの狭い肉にこの怒張が納まるかどうかの方が心配だという始末で、ひくつく尻穴に亀頭を押し付けている時はまあなんとかなるだろうという存外適当すぎる思考でルークを見下ろしていた。
「はっ、…」
ぐぐ、と先端が埋まると流石に張り出したカリが引っかかって思うように押し入れない。
ガイ自身が余り気にしたことはないが、平均より大きさのある性器は短時間指で掻き回されただけの上に初めて雄を受け入れるルークにはどうしてもきつく、異物を押し出そうときゅうとすぼまるのに多少無理矢理押し込むと、そのまま殆どを勢いで体内に納めさせてしまった。
根元まで押し込むと、ルークを抱きしめるように圧し掛かる。また首筋に擦り寄って深く溜息をつくと、少し落ち着いたのか、ようやくルークと繋がっている実感が沸く。きゅうと思い出したように締め付けてくる内壁に腰が震えた。
自分の熱も相当あがっている筈だが、ルークの中も酷く熱く、断続的に顫動するのが心地いい。
もう暫くこうしていたいが、程よく肉のついた締まった腰を掴んで滅茶苦茶に引っ掻き回してやりたい衝動の方が強すぎる。
「ごめん、ルーク、」
「は、あっ」
聞こえていないであろう謝罪を漏らして腰を掴み寄せると、自分でも乱暴だと思う力でルークの体を突き上げる。
弛緩している四肢が揺さぶるガイの動きにあわせてガクガク揺れるのが、雄の征服欲を満たしてくれて行為から歯止めを奪った。
「ルーク、ルーク、おれの、」
「っ、ふ、」
「ルークっ…」
はふ、と空気をのむような呼吸音にぞくぞくとした痺れが走る。ゆっくり腰を引けばうねる肉がずるずると離さないと言わんばかりに絡みついてきて、好き勝手に突き上げたときとは違う快楽が駆ける。
恥ずかしい話この瞬間まで貞操を守っていた訳だが、経験のないガイにも体の相性というものがあるんだと思わせるほどに強く甘すぎる快楽に目の前がくらくらと歪む。
もっと奥へ、もっと深くまでと自身が侵入出来るぎりぎりまで埋めた性器でぐりぐりと擦り付けるように中を掻き回すと、掴んでいる腰が跳ねてきつく締まる。ルークと繋がったまままたあの肌を楽しみたくなって、襟足の方まで舐め上げてから耳たぶに噛み付いて軽くひっぱれば、ルークの白い喉が軽く仰け反った。
「悪い、」
「っ、う、あ、ぁ」
絶頂を促すように性器を刺激してくる内壁にとうとうこちらが決壊して、きつくルークの体を抱き締めると、一番深いところに全部吐き出そうと腰をぐいと押し付ける。びゅくりと吐精するのにあわせて締め付けるのがまるで搾り取られているようでつい腹に力が籠もる。
つられたようにルークも小さく震えて吐精すると、体を寄せられて擦りついたガイの腹を汚してぽたりと白濁を落とした。
生温い温度にルークの体内が満たされるのが中にいるガイにも当然伝って、それに興奮して再び勃起する前にルークの中からずるりと抜くと、吐き出した精液が尻伝いに背中の方へ伝い落ちていくのが見えた。
再び身を擡げそうになる欲を霧散させたいのもあってルークに口付けると、力の入らない唇と歯列を割って咥内をべろりと舐めあげる。綺麗に並んだ歯を舌先でなぞって歯茎を擽ってからルークの舌を吸い上げる。
かなりしつこく口付けてひとしきり堪能してから離れると、目元に口付けて耳に唇を寄せた。
「ルーク、好きだよ」
正直ここまでされたら流石に起きているだろう、もしそれで何も抵抗がないのだとしたら。
(俺はお前の答えを聞いてもいいのか)
最初に部屋に入ってきたときのように静かな呼吸音を漏らすルークの頭を撫でると、汗でしっとりした毛先が張り付く。
(俺がお前に隠してるのは)
緩やかに上下する胸に顔を埋めると、じわりと視界が滲む。
込み上げる感情が分からなくて――――ガイは、暫くそのまま嗚咽を噛み殺した。
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