Posted by きなねこ - 2013.07.23,Tue
ガイルク、マイソロ3
ルミナシアの屋敷時代捏造、サブクエスト「二人の王」以降
2012/10/12 初出
ルミナシアの屋敷時代捏造、サブクエスト「二人の王」以降
2012/10/12 初出
「いやだ、ガイが来ねーなら絶対に行かねー」
「ルーク、我儘言わないで」
「でもティアはナタリアに着いて一緒に戻るんだろ」
「そうだけど…」
ロックスの手伝いを終えて部屋に戻ろうとドアに手をかけると、ルークととティアが押し問答している最中の様で、外にまでうっすらと声が漏れている。
内容を聞いていると、どうやら一度ライマに帰還する件についてルークが駄々を捏ねているようだ。ようだ、とは言っても、この話が出たのはもう昨日の昼の話で、それから延々と最初の主張を変えていないだけである。
ルークが頑なに拒んでいる理由は簡単で、今回は人数を抑えて戻るのにそのメンバーにガイが組み込まれていないから嫌だというそれだけだ。
第一王位継承者のルークに婚約者のナタリア、大佐であるジェイドと護衛補佐にティアという納得がいく面子であると言えばそうなのだが、そんなのをルークが素直にうんと言う筈がない。
最初こそヴァン師匠と少し離れてしまう、でも兄弟仲の決して宜しくないアッシュと戻っている間は別行動なのだと文句はなかったのが、ナタリアの同行で「えっ」と声を漏らし、ジェイドも共にと聞いて「げっ」と顔を顰め、護衛補佐をナタリアの護衛であるティアに、と言われて「それは…まあ」と渋々承諾し、以上の4人で帰還しますよ、とジェイドに食えない笑顔で説明を打ち切られた瞬間に「絶対に行かねー!!」と癇癪を起したのだった。
なんでナタリアの護衛のティアはよくてガイはダメなんだ、ガイは俺の使用人で護衛剣士じゃないのか、と確かにその通りではあるのだがいつも通りの我儘に、いろいろ思う所もあるし我慢して黙っていたアッシュが爆発して大喧嘩になったのは、もう昨日の夜の話だった。
帰還日にまではまだ一週間ないくらいの時間がある。同行者の一人に選ばれたティアが説得にあたっているようだったが、別段ルークが彼女を悪いと非難する気はなくても同じ護衛役なのにという気持ちが勝っているようで、どうにも逆効果にしか見えなかった。
ルークが我儘坊っちゃんなのも、ガイ限定の甘えたなのも周知の事実だ。
十の時から傍仕えのガイを、ルークは片時も手放したくないようで、ルーク専任の護衛剣士に、とファブレ公爵から言いつかった時の喜びようは言葉では言い表せない。逆にアッシュは決定を覆す気はなくも機嫌が地の底に落ち、その日から暫く部屋に立て篭もって、数日出て来なかった。
初めてティアと顔を合わせた時に、余りにもガイにべったりで何をするにも名前を呼び付け「ガイ、あれしてくれよ」「ガイ、これとってくれよ」なんて調子だったものだから、「この歳にもなっておかしい」と怒っていたのが段々容認して甘やかすガイにも矛先が向き、「貴方が甘やかすからよくないのだ」と耳にタコが出来る程怒られた挙句、一向に治る気配を見せないのでとうとう諦めた様だった。
容認して甘やかす、というがガイには勿論そんなつもりはない。ただ、ちょっとルークの我儘を叶えてやろうかなと思っているだけなのだ。
「あ、ガイ!」
「お帰りなさい、おつかれさま」
同じような内容をぐるぐる口論しているのをいつまでも部屋の外で聞いていても仕方がないので部屋に入ると、すぐに扉の隙間からガイの金色をした頭を目敏くとめたルークが名前を呼び、ティアも振り返ってそれに続く。先程までは面倒くささをたっぷり含んだ、不機嫌そうで普段よりワントーン低い声だったのが、ガイを視界に入れた途端に明るく響いて全くいつも通りの甘えたっぷりにティアの前という体面も取り繕って苦笑を返しておく。とは言ってもそんなポーズはティアにはもう無駄なようで、若干のジト目を送られるだけだった。
「ガイ、貴方からも言ってやって。ちょっと国に帰るだけだ、って言うだけだから」
「おいガイ!言っとくけどお前に言われたって嫌なもんは嫌だからな!!」
貴方の言う事なら聞くでしょ、とルークの言葉を無視してガイに頼むティアの声の裏には、ルークに対してというより、ガイに対しての皮肉の方がたっぷり込められている。ルークがこんな我儘を言うのは半分は貴方のせいでしょう?という所だろう。全くもってその通りだが、ガイとしては自身の袖に指を絡ませて拗ねたように見上げてくるルークがかわいいばっかりで、大した効果はなかった。
「なあルーク、どうしてそんなにライマに戻りたくないんだ。シュザンヌ様に顔を見せた方がいいんじゃないか?」
「母上は…そうだけど…、…お前着いてこないんだろ」
「そうだなあ、まあまだ時間はあるし、ちょっと俺からも打診してみるからさ、機嫌治せよ。な?」
「んー…」
ぽんぽんと頭を撫でてやると、まだ少しむずかるような顔をしているが、満更でもないといった感じで少し視線を床に彷徨わせている。
また甘やかして本当にどうしようもない奴らだ、という空気を欠片も隠さないでティアは大きすぎる溜息をつく。
「大佐が許すとは思えないけど」
事実ではあるが、折角傾いているルークの意思をわざわざ元に戻す必要もないとティアも思っているようで、小さな呆れまじりの呟きはガイの耳にしか届かなかった。が、すぐに左から右に抜けていった。
ルークがガイにべったりなのは兎も角、ガイがルークに対してどうにも甘やかし気味なのは何も初めからだった訳ではない。
ガイがファブレ家に召し抱えられたのは、親元を離れて仕事を、なんて単純な理由ではなく、いっそ清々しい程に単純な『復讐』の二文字の為だった。
奪われた家族と故郷の怨念、全てを暴き倒して蹂躙し、同じ目に合わせてやろうと潜りん込んだだけだった。
屋敷にやってきてあてがわれた仕事は、歳近い二人の子息殿の世話係だ。かたや王族の子息にしては、むしろ歳不相応としかいいようのない不出来な『ルーク様』と、王族の子息にしても出来すぎていて吐き気のする『アッシュ様』。どちらも憎悪の対象でしかなく、こんな奴らの為に、と心の底に灯した炎を強く燃やす事はあっても、まさか愛しいと思うなど土台無理な話だ。
そんなガイとは真逆に、二人は存外ガイに懐いた。主人と使用人としての分を弁えないとガイに迷惑がかかるという建前と、素直に甘えなりを出せないアッシュはガイの越えて欲しくないボーダーラインを守り続けたが、それが出来ないのがルークだった。
最初こそほんのりと人見知りをにじませて、ガイに丁度いい距離を保ってくれていると思ったが、一週間もすれば何がきっかけかも分からない内に親鳥を慕う雛の様に後を着いてまわった。
越えて欲しくない復讐者と獲物の境界を容易く踏み込んで、ガイはどうしてここにきたの?いつまでいてくれる?ずっとここにいてね、そばをはなれるなよ と胸の奥がじくじくと痛むような無垢な笑顔で宣うのだった。
勿論そんな言葉だけで絆された訳ではない。そんな、なんて今のガイからしてみたら ルークのかわいらしいおねだりなんだから叶えてやれよそれくらい、心の狭い奴だな と憤るが、残念ながらどちらも自分自身だ。
一つ大きな切っ掛けは確かにあったが、それだけが理由と言う訳でもなく、長い、長いと言っても2、3年程の積み重ねの内に絆されていったのだろう。
それでも、それを気付かせてくれたのはその切っ掛けのお陰だろう。
姉の遺品として大事に持っていたリボンを失くした時に、ルークとアッシュが一緒に探してくれたことがある。見つけたのはルークの方で、手渡された時に出自を聞かれてついうっかりそれを漏らしてしまったのだ。
自分がどんな顔をしてそれを告げたのかは分からない。ただルークに額を拳で軽くど突かれて混乱していると、目を細めたルークと目があった。
「ずっとひきずりっぱなしで、ガイの姉上は嬉しいのかよ」
もうそんな大事なもん失くすなよ、と今度は脇腹をど突いてさっさと脇を通り抜けていったルークの顔を追うと何故か泣いていて、言われた言葉が頭の中をぐるぐるまわるのにあわせてどうにも腹立たしくなったのだった。
なんでルークが泣いていたのかも分からないし、あんな何も知らない癖に引きずるな等と、やっぱりルークも所詮ファブレの血なのだ。アッシュの言いそうなことを言いやがってと、久しく忘れていた薄暗い炎がぐらぐらと腹の内側から神経を燃やすのに、帯刀していたブレードに無意識に手を這わせた所で、ガイははたと気付いた。
忘れていた。
そうだ、今の今まで、屋敷にきたばかりの頃はエントランスに飾られる一族の宝刀を見上げる度、姉上のリボンを握りしめる度に復讐を思い出して身に刻んでいたのに、ルークの手からリボンを渡された時に感じたのはただただ深い安堵だった。だからつい口を滑らせてしまったのだろう。
そうだ、これだけ待ったのだからあともう少し延ばしても、と自分に言い訳しながらルークの部屋のある離れを訪れると、正面の扉にはきっちりと錠がかかっていて、取っ手をひいてもガタンと鳴るだけだ。そもそも呼び付けられていないのに勝手に入るのもよくないだろうと、それでも様子が気になって裏手に回ってなんとなく窓を覗くと、ルークがベッドに突っ伏して呻いているようだった。
無意識の内で反射の様に窓を開け、へりに手を掛けると転がりこむように部屋に飛び込む。整えられていた筈の真っ白いシーツはルークの手足で掻かれてぐしゃぐしゃになり、半分程ずり落ちている。薄い天蓋の中の布の海で体を丸めるルークを抱き起こすと、真っ赤に腫らした目元に焦点のあわないマカライトの目がきょろりと薄く意識を持って動くと、ガイの顔を見上げた。
「あ、…?」
「おいルーク、どうした…っ?!」
「あ…へーき…ただのずつう…」
痛みに呻いている時に息を止めてしまったのだろう、浅い呼吸がゆっくりと普段のものへ戻っていって、それに安心するとガイも胸の中にたまった酸素を深く吐きだす。ガイの方もつい呼吸を止めていた様だった。
あやす様に背を緩く撫でてやると、腕の中で身動ぎしたルークがガイの胸元に頭を擦りつけてくる。さらさらと滑る赤い髪が心地よくて、自然と髪に指を絡めた。
「…どうして、さっき泣いてたんだ」
「…泣いてなんかねーし」
腫れた目元を見られたことでバレたと思っているのか、顔が見えない様にとぐいぐい顔を押し付けられる。残念だがガイがルークが泣いてる事に気付いたのは先程の廊下での話であって、今更だった。
「…俺、ガイには待ってる家族とか居て、その内そこに帰っちまうんだと思ってた」
「…ああ」
「でも、さっき、いないって聞いた」
「そうだな」
「俺、俺、…そしたらガイは何処にも行かないんじゃないかって思っちゃって、でもそれって本当は悲しい事なんだって」
「…」
泣いていない、なんて啖呵をきった割に、話しながらしゃくりあげるのがおかしくて可哀そうで、ガイは思わず抱き支える腕に力を込める。ルークは何も言わないで少しだけ呼吸を整えると、伺うようにガイの空色の目を見上げた。
「でも、ガイがそのことでずっと悲しいのは、違うって思ったんだ、それは、本当だから…」
袖を小さな手がきゅうと掴んだと思うと、言葉に合わせて項垂れるのと同時にずるりと落ちる。ごめんなさい、と空気に掻き消えそうな謝罪を聞くのと殆ど同時に、ガイはルークのまだ幼い体を閉じ込める様にきつく抱き締めた。
多分ルークは何も知らないからこそ、素直にそう漏らしたのだろう。幼い客観はぐらぐらとガイの心を揺すった。
敵の息子に、しかし今は、だってその内、それでも大丈夫、でも、でも、でも。
ひどく悩んだ割に、その前の様にふっとそれを忘れてしまって、再びそのことを思い出したのはガイが18でルークが14になった頃だ。時を経て思い出した訳ではなく、とうとう愛しさが勝ったと自分の中で認めてルークの体を得た翌朝に思い出したと言う情けない話だった。
今ならまだ割り切れると思いながら、もう少しだけルークが大きくなったら、全てを話してその時に決めようと決断したのか楽観したのか分からないような決意を心に秘めて、そのまま2年はだらだらと爛れた、主従関係の延長とは言い難い睦み合いを繰り返していた。
「ルーク、話がある」
ガイが20の誕生日の前日の夜の事だ。あのリボンと頭痛の一件以来ルークは裏手の窓の鍵をかけなくなった。ガイもそれとなく察して特に取り立てて訪ねた事はなかったが、表向きの用事がない時はそこからルークを訪ねる様になった。
ただ一人ガイだけに許された逢瀬の出入り口は、部屋の主であるルークもさることながらガイの心も酷く高揚させた。この屋敷でただ一人ガイを柔らかく溶かそうとした不出来だと言われても聡いお坊ちゃんの確かな唯一を許されたも同義だったので、当然と言えば当然だった。勿論ルークが酷くガイを慕っている事は周知ではあるが、またそれとは話が別だ。
いつものようにそこから忍び込んで、腰まで伸びた黄昏色の髪に口付ける。遅いと拗ねたように主人がごちるので、腕をひいて傍に寄せると「誕生日おめでと」と告げる口を塞いでやった。
「話、って?」
ひとしきり互いを求めて、軽く片付けてからルークのベッドに潜り込めば、ガイの呟きへの返答がある。話す事はもう二年も前から決まっていた。
自身の出自のこと、家族をなぜ、どうやって失ったのか、どうして今ファブレ家にいるのか。
勉強が嫌いだと家庭教師から逃げ出すルークだが、つまらない授業を聞くのが嫌いなだけで、意外に思われるがきちんと必要なことは学んでいる。当然ガイの話が近代歴史にあるしかもかなり近い過去の話だとすぐに察したようで、何かを考える様にガイの背後を視線で探った。
もしこれでルークに拒絶されてしまったらどうしようか。と、のろのろと瞬く長い睫毛を追いながら、ルークの返答を待つ。もうここには居られないだろう、きっと二度とルークには会えない。もう自分の中でも殆ど形を残していない復讐への残滓こそ二度と戻らなくても、もしかしたら恋しい目の前の存在に屋敷を血濡らすかも、なんて考えてから、ルークの悲しそうな顔が過って考えるのをやめた。
「俺とガイの秘密、増えちゃったな」
「え?」
窓の鍵と、ガイが俺のとこに来た理由、秘密な と悪戯を思いついた時と同じような笑みを浮かべて、ルークは小指を差し出す。
誘われるままに白く細いそれに自身のそれを絡めると、いつまでも傍にいてくれよ、離れたら嫌だからな、と囁いて絡まった指にルークの唇が触れる。
ガイの中で燻っていたはずの怨念は、ルークからしてみたら窓の鍵の秘密と同程度なのだ。それでも互いにとってこの密事は、唯一を求めあった約束ごとだ。それと同じということは、ルークはそれをガイを縛る為の枷にしたいと願っているのか、いやなにも考えていないのか。
どちらでもいい、彼が縛る事を望んでも望まなくても、離れてやることなど決してないと、ガイも同じように指に唇を寄せて見せた。
「ガイー、早く!」
「ちょっと待てって、あとあんまり騒ぐなよ」
バンエルティア号の、倉庫代わりと言って差し支えない船室に入りこんで施錠を確認していると、乱雑に押し込まれた大きなソファの一つに腰をおろしたルークに早くはやくと急かされる。
急に誰か入ってきたら叶わないと、ガイの方は三度程鍵を確認してから気休め程度のつっかえに、重めの木箱を引きずってきて扉を塞いだ。
「あんまり騒ぐと外に聞こえるぞ」
「ここ結構壁厚いじゃん、いつも思うんだけどそんなに響くかよ。っつーか騒いでねーし!」
「どうかね、部屋にいるとたまに外で喧嘩してるお前さんとアッシュの声が筒抜けだったりするけどな」
「う、うう、うるせーな!」
それより早く、と気だるげに腕を伸ばされる。そんなに欲しがられるとこっちも悪い気はしない、とういうか、素直に嬉しい。甘えたのお坊ちゃんは、ほんの少しでもガイが離れてるのがいやなのだと、傍に戻ってきたガイがソファに腰を下ろすのをまたずに両の腕を腰に巻きつける。
「へへ、ガイと二人になんの久々」
「久々って…一週間だろ、そうでもないだろう」
「一週間も離れてりゃ十分足りないっつの」
腰にまわっている腕がもぞもぞと動いてガイの腰帯を探ると、間も無く床に滑り落ちる。
確かにルークの言い分は尤もと言えば尤もで、屋敷にいる頃はそれこそ四六時中べったりだったのだ。勿論毎日ではなかったが、夜半にガイがルークの部屋に忍び込んで、ことを致していたのもしょっちゅうだ。
それに比べたら始終自分達以外の人間と行動を共にして、こうしてわざわざ人目を盗んで抜け出してもこない限り二人きりになれない生活は窮屈でしょうがない。
「ガイはいやじゃないのかよ」
「まさか、お前に触れないなんて気が狂いそうだ」
「ほらやっぱり、ん、」
腕を解いてルークの体に覆いかぶさると、まだ何か言いたげな唇に噛み付いて黙らせる。少し埃っぽいかと思ったが意外とソファは綺麗されていて、二人で倒れ込んでも大量に埃が舞ったりなどはなかった。
何度か角度を変えて吸い付くと、シャツの胸元をルークの指先が掻く。それを合図に少しだけ離れると、また口付けて今度は薄く開いた唇の中に舌を押し込む。ガイがルークの舌を掬い上げて自身の口内に誘うように吸ってやると、鼻に抜けた甘い声が小さく漏れる。それに気をよくして歯列を裏から表へと舐めなぞると腕の中の体が小さく震えた。
「ガイ…こっち…」
「分かってるよ、ルーク坊ちゃん」
目配せする視線がそろりと下半身に向いて、望まれるままに腰にひっかかっている黒いパンツに手を伸ばす。下着ごと引っ掛けて下に落とすと、既に緩く勃ち上がった幼い雄がひくりと先端を震わせている。グローブを取り去った指先を這わせると、ルークの腰が小さく跳ね上がってきゅうと目が閉じられる。ぷくりと零れた先走りを指に絡ませて裏筋からカリ首のくびれを撫でさすると、控えめな喘ぎが口の端から溢れた。
「ふ、あ、…は、」
頬から耳まで薄らと朱に染めながら、指の輪で絞るようにルークの性器を扱くガイの動きを追う。近づいてきたガイの顔が、ルークの熱く染まった頬に幾度も口付けを落として擽ったい。
熱に浮かされて潤んだ目を薄く開くと、ルークは自身のジャケットの胸元のボタンに指をかける。ボタンの着脱に関していやに不器用なルークの為に誂えられた大きめのものだったが、小さく息をついても下半身から昇る久方ぶりの刺激を少しの間追いやることもかなわず、ボタンホールを潜るのにはあまりにも検討の違う方に力が入ってもどかしそうに荒く息をついた。
「…、脱がして欲しいか」
「ん、ん…」
濡れた指先で赤く腫れた亀頭をガイの指がくるくると撫で回している。それに身じろぐと耳元に声が吹き込まれて、言われるままにルークは小さく何度か頷いてみせる。
笑われたのか、耳元の空気が小さく揺れる。ルークに触れていない手持ち無沙汰になっていた左腕がジャケットに伸びてきて、片手で器用にボタンを外していく。ガイから与えられるまどろみのような刺激にとけながらそれをぼんやりと眺めていると、左右にジャケットをはだけられて、黒い丈の短いインナーに暖かい手が潜り込んでくる。それに小さく息をつめてガイを見上げるルークに、意地の悪い笑みを返すとルークの眉根が微かによった。
「脱がしたけど、どうして欲しい」
存外愉しそうな声が漏れてしまって、ガイは内心でしまったと思った。久々だから、なるべく機嫌を損ねないように楽しもうと思っていたのにこれだ。全く自分の本心に苦笑しか漏れず、それでも表面は意地悪く形作られたままでガイはもう一度だけどうするのか問うた。
まだ口付けて性器を扱かれただけだというのに、ルークは随分熱に溺れたような顔をして、半開きになった唇で浅い呼吸を繰り返す。少し虚空をきょろりと追ってからガイの方に視線を戻すと、ガイの手が潜ったインナーを両手の指先で摘み上げて、薄い胸板を覆う手のひらが見えるところまで引き上げてみせる。
「むね、の、いじめて」
「…こうか?」
「あっ、ちくび、きゅって、…!」
ガイの思惑と外れて素直に続きをねだるルークの姿に、ひと呼吸あけてわざと平らな胸を揉むように這わせると、ガイが言わずとも更にお願いを繰り返して背を反らした。上手におねだり出来たらご褒美やるよ、なんてそういえば前に言ったような。ならばお望み通りに、と指先を乳頭に這わせて指先に引っ掛かったまだ柔らかい先端を摘んでやれば、ひゅっと喉を鳴らして体が跳ね上がった。
「は、あっ…!それ、もっと…!」
上体を押し付ける様に反らして続きをとねだるのに、喉の奥で薄く笑って応えてやる。ぷっくりと腫れた乳頭を指先で捏ねまわして、硬くなった乳首を押し潰してから軽く引っ張ると、いやいやをするように小さく頭を振って吐息の中に小さな喘ぎを含ませた声を断続的に漏らす。
物足りなさそうにもう一方も、と控えめに言うのに、しようのない坊っちゃんだと笑って背を丸めて唇で触れる。そのままやんわりと食んで唐突に吸いついてやると、ガイの頭にいつの間にか周っていた両手が、金色の短い髪をくしゃりと撫ぜた。
「は…、頭押さえたら動けないぞ」
「あ、やら…」
唇を離してルークの顔を見上げると、そろそろと後頭部から肩に指先が滑っていく。きゅっと肩口をひかれて続きを再開してやると、耳の後ろに口付けられてそうっと声を吹き込まれる。
「ガイ、も、」
「俺がどうした?」
「きもちよく、したい…」
「…そうだな、」
体を起こしてルークの足の間に体を割り込ませると、太ももの下から手を滑らせて尻肉を軽く揉む。そのまま指を双丘の谷間に滑らせて窄まりを突くと、ひくついてもっと先が欲しいとねだっているように見える。先程までルークの性器を弄り回して濡れた指先を押し込むと、幾許も進まない内に柔らかい肉がきゅうきゅうと締め付けてきて、思わずゴクリと喉を鳴らした。
熱を孕んで奥へと引き摺り込もうとうねる内側に早く入り込みたくて、ガイは一度差し込んだ指をぎりぎりまで抜き取ると、一気に更に二本を添えて奥へと挿し込んだ。いくら慣れてるとは言え少し急きすぎたせいか、無理に押し入った異物に内蔵が驚いたようにきりきりと締め上げてくる。
ルークも自身の体の反応とあわせて驚いたのか、びくりと太ももを痙攣させて深く息をつく。そんな様子を伺いながらも、まんまと侵入を果たした指で構わず内側を広げるように動かしていると、いつの間にかガイの股間に伸びていたルークの腕が小さくスパッツを摘んだ。
「な、触っていいか…?」
「…お好きにどうぞ、ご主人様」
ん、とほんのりと嬉しそうに笑むと、白い指先が生地越しにガイの雄を一撫でする。いつもと違う少しもどかしい感覚に息をほんの少しつめると、すぐにスパッツと下着を一緒に引き下ろされて半分ほど勃起した性器を引き出される。ルークの指先が冷たいのか、自身が熱を持ち過ぎているのか、体温に差のある肌がそろそろと腫れものに触れるように竿を撫でるのに、ついルークの中を蹂躙する手を止めて目を細める。先端から先走りが溢れると、それに指を絡めて掌で緩く握るように擦り上げられて、口の中で息を噛み殺した。
すると「つづき」と楽しそうに告げられて、少しむっとしながら浅い位置で指先を折り曲げてやる。今度はルークの動きが止まる番で、大袈裟に腰を跳ね上げるのを押さえ付けて性器の裏側にあるしこりをぐりぐりと嬲ると、たまらないとばかりに潤んだ目と視線が絡んだ。
「もういれられる…?」
「どうかな、久々だし」
「はやくガイの欲しい…」
これ、と呟きながら人差し指で裏筋を根元の方へと辿ると、指先で軽く陰嚢を揉まれる。ぱんぱんに膨れたそれをいじるのが楽しいのか暫く手遊びのように転がされるが、ガイからしてみれば煽られているだけでたまったものではない。いたずらがすぎる左手をやんわりと制すると、ルークの方から足を持ち上げて開くので、それに甘えて体を折るように半分だけひっくり返す。
目の前に晒された、赤く腫れて物足りなさそうに呼吸する尻穴に、すっかり硬くなった怒張の先端を押し付けると、すっかり口を開いた窄まりが軽く吸い付いてきた。こちらを伺うルークが長めの息を付いたのに合わせて押し込むと、どうしても入る無駄な力を抜こうと胸板が大きく上下する。必死に受け入れ入れようともがくのがどうにも愛しくて、つい乱暴に侵入を果たすと、熱い肉がぴったりと絡みついてガイの雄をきつく食んだ。
ルークが深い呼吸を繰り返すのに、すぐ揺さぶりたいのを耐えてあやすように頬に口付ける。目尻に浮いた涙を吸い取ると首に腕が絡んできて、腰を軽く押し付けられた。
「あっ…、ガイの、おなかんなか…」
「つらいか…?」
「ん、ん…きもちい、から、も、ほしいっ…」
「っ、」
切羽詰ったような声に、返答もままならないで強く突き上げてやる。喉を反らして声にならない音をあげるのに吸い寄せられるように上体を曲げると、喉笛に柔く噛み付いて舌を這わせる。あまり見える部分に痕を残してはまずいだろうとぎりぎりの理性が働いて、深く歯を食い込ませる前になるべくうなじの方へと口をずらすと、もう一度噛み付いて今度はきつく吸い付く。
ルークの肌を味わいながら両手で引き締まった腰を掴みなおすと、絡みついてくる粘膜を少し性急に突き上げる。ぴったりと腰をあわせているせいで、動くたびに肉壁を抉られるように突き当たるせいか、ガイの動きに合わせてルークの口から喘ぎとも反射ともつかない短い声が漏れた。
馴染むまでとひとしきり好き勝手に揺さぶると、深くまで押し込んだ所でずるずると緩慢な動きで腰を引いていく。淵にカリ首を引っ掛けるようにぎりぎりの所まで抜き去ると、今度は先に指先で刺激してやった前立腺を引っ掻くようにゆっくりと押し込んでやる。幾度かそれを繰り返していると、いつの間にか腰にルークの足が絡みついていてぎゅうと体を引き寄せられた。
「ふあ、あっ、ひっ…」
「…あんまりそう熱烈に捕まえられると、動けないんだけどな」
「あ、あぅ…」
うまく力が抜けないのか、ぴくりと一度震えたまま動かない足にガイは片方の手を這わせると、軽く揉むように動かす。太もも表側から裏側まで潜り込んで、最初の時のように尻まで滑ると揉むというよりは軽く掴んで、ガイの性器を深くくわえ込むそこが気持ち広がるように少しだけ開く。もう片方の手も同じように滑らせて結果的に左右に尻肉を割開くと、追い打ちをかけるように腰を押し進めて小さく内蔵を掻き回した。
それに驚いたように腰に絡んだ足が痙攣するのを見計らって解かせると、また強く何度か奥の方へと突いてやる。腰を最初よりも密着させるように動かしたおかげか、器用にルークの気持ちがいい箇所を擦り上げているようで、噛み殺しきれていない甘い声が断続的に部屋に響いた。
最初に部屋に入った時に騒ぐな、とは言ったが、ルークの言った通り壁は確かに厚い。周りの部屋も確か人がいなかった筈であるし、一週間ぶりにこの背筋をぞくぞくと走るような甘い喘ぎをたっぷり堪能しても罰は当たるまいと、更に引き出す様に中を掻き回す。
「あ、はひっ…!やら、やぁ…っ」
「っく、いやじゃ、ないだろっ…」
「あう、ふ、ひあっ…!」
久方ぶりの刺激が強すぎるのかいやいやをするように緩く頭を振るのに、合意の上の行為の筈が無理を強いて無体を働いたように感じさせて酷く嗜虐心を煽られる。それにいやだと口には出しているが、快楽に溺れすぎている自分への機能していないリミッターの残滓が無意識に零れたようなものだろう。
実際首に絡んでいた腕は外れていて、肩口を指先がきつく掴んでいる。ガイが定期的に手入れをして爪を短く切り揃えてやってはいるが、多分ガイが裸身であれば背中にいかにもな爪痕が残ったに違いない。
なのでおざなりに返事をして行為を続行してやる。抜き差しを繰り返す度、名残惜しそうに絡んで吸い付く肉に腰が痺れて、溜まった空気を一気に吐き出した。
「は、あ、あっ…」
ひくんとルークの体が震えると、決壊したルークの性器がふるふると痙攣して吐精した。普段より量の多い、白みの強い精液が下敷きになっているルークの腹と胸に散ってどろりと落ちる。射精にあわせてガイの性器をうねりながら搾ろうとする内壁に唇を噛んで耐えると、まだ余韻に惚けている所をもう幾度か肉に擦り付けて突き上げる。
ひっ、と引きつったような空気混じりの声が漏れているのも無視して暫く顫動する柔らかい肉を楽しむと、自身も決壊してしまう前に中から抜き去る。引き抜かれてガイの形にぽっかりと開いた尻穴がもの欲しげにひくつくのに、たまらずもう一度潜って溜まっている欲を全て吐き散らして注いでやりたいがそうもいかない。あまり後片付けの処理を増やしたくないので自分は後でもう一度抜くとして我慢しよう、 健気なもんだ、などとうっすらとぼんやりする頭で思考を巡らせていると、落ち着いたのか軽く上体を起こしたルークが少し困惑したようにガイを見上げている。
「…、どうしたんだ?」
「あっ…ガイ、それどうすんだ…?」
「まあ、後でどうにかするさ」
まあ気にすんな、と途中まで口にした所で手招きされる。どうしたのかと立ち上がって傍に寄ると、目元を余韻ではなく新たに赤く染めて、濡れた目でガイを仰ぐ。
「じゃあこっち、だしていいから、」
ちょうだい、と舌足らずに囁いて、軽く上を向いて唇を開く。濃い桃色の舌がちろりと覗いて、誘惑するように蠢いているのが視界にうつる。
妙に乾いていた喉を唾液で濡らすと、誘われるがままにまだ欲を溜め込んだまま吐き出せずに、抗し難い熱を孕んだ雄をルークの眼前に突き出す。瞬きする間に熱い口内へ招き入れられて、舌が裏筋へぴたりと貼り付く。ちゅ、と音を立てて半分程まで吸い付かれると、そのまま頭を引かれて亀頭だけ口に含まれた状態になる。そのままくびれや尿道口をぬるぬると舐め回されて、もう一度吸い付くように口内に戻された。
それを幾度か繰り返されると、一旦口を離したルークに「好きにしていいから」と手を取られ頭に導かれる。自分だけでは喉奥まで招くのが苦しいので、ガイの好きなように使っていいということなのだろう。願ってもない申し出に甘えて指通りのいい赤毛に指を絡ませながら丸い頭部を掴んで固定すると、根元までくわえ込ませるように少し強引に喉奥へ突き入れる。若干えづくのか、無意識に押し返すように動く舌に裏筋を擦り付けて、きゅうと先端を締めてくれる喉の感触を楽しむと、ぶるりと腰が震えて口内へと射精した。
直接喉に流し込むつもりはなかったが、結果としてそうなってしまったのだろう。申し訳ないとは思うが、心地よい熱に包まれて愛しい恋人に子種を強制的に飲み下させるのに興奮しない筈もなく、生理的に体が拒否するのを耐えてガイにしがみつくルークの口に注ぎ込んでやった。
こくりと喉が動くのが見える。先ほどのルークの様子を見る限り、多分自分も溜まっていた筈なので普段より量も濃さもきつかったと思うのだが、ガイの希望通り全部胃に落としたらしい。吐精の余韻に今度はガイがぼんやりとしていると、先端に吸い付いて残滓まで吸い出される。そのまま綺麗に性器に散った精液を舐め取られて、おしまい、といたずらっ子のような笑顔で微笑まれた。
「悪い、苦しかったろう」
「全くだっつの、ちょっとは加減しろよな」
適当に持ってきていたタオルを掴んで再びソファに腰を降ろすと、すぐにじゃれつく猫のようにルークの体が擦り寄ってくる。汚れた下股と胸元にまで散ったのを拭いてやって、簡単に服を整えてやると自分も同じように身支度をする。
ルークのことだから、終わってすぐ戻る、なんてことはないだろう。勿論人肌恋しかったのものあるだろうが、こんな昼の時間帯に誘ってきたのは何か話したいことも込みであるに違いない。
ルークがそれを話す気分になるまで付き合ってやろうと、腕を回して頭を撫でながら手櫛で軽く髪を梳かしてやる。さらさらと流れる先端が金に透き通った赤毛を眺めていると、そろりと昇ってきたルークの指がガイの袖を摘んで、それを目で追ってから顔を上げればガイの顔を伺うルークのマカライトの目と視線がぶつかる。
そう言えば昔にもこんなことがあったな、なんて思っていると、「あのな」とルークの口が動いた。
「俺、王の資格ないんだってさ」
「…へえ、なんでまた」
「この前、ヴァン師匠に、そう言われた」
いつものアッシュとの喧嘩かと思えばそうではなかったらしい。そう言えば先日、ヴァンがルークとアッシュを連れて霊峰アブソールを登ってくれないかとディセンダーにお願いしていた。多分その時の話だろう。
「お前が…、すまない、傷つけたいわけじゃないんだが。お前がだめなら、その、アッシュに決まったのか…?」
聞きづらいことだが、多分内容はそのことなのだろう。少々強引ではあるが、無理にきっかけをやった方がルークも話しやすい筈だ。とあたりをつけてガイは先を促す。
「いや、アッシュもだめなんだってさ」
「はあ…?なんじゃそりゃ」
幼馴染の考えている事はなんとなく分かるが、どちらか決める為ではなかったのか。勿論どちらか一方がもう一方を蹴落とすよりも、彼の望む選択肢が叶うのであればそれは凄いと思うが、そういかないのが今日までの双子の結果だと思う。
勿論ガイはルークを贔屓目に見てしまうが、それとこれとは話が別だ。だからこそ、正直ガイは心の片隅でルークは王には向いていないと思っている。半分位は、まだまだ自分の手の内に閉じ込めておきたい男の独占欲だとは思うが、そこは黙っておいた。
「よくそんな話、俺に隠しておけたな」
「怒ってるか…?」
「まさか、話したくないことの一つや二つ、あるもんだろ」
それにどうせ最後には全部話してくれるだろう、と言おうと思ってすんでの所で飲み込んだ。わざわざプレッシャーになるようなことを言ってせめてもしょうがない。すぐに話してくれなかったことに関しては多少妬く気持ちはあるが、そんな浅い付き合いではない。勿論半分は建前で、今でも独占欲で嫉妬に狂いそうになることはいくらでもあるが、普段があれだけ甘えたのルークが相手なので、ガイが表に出すことは早々ないつもりではあった。
ガイがほんの少し気をそらした内に、いつの間にか袖に絡んでいた指先が胸元に添えられている。そのままルークの頭も胸元に擦り寄ってきて、ガイは回していた腕でルークを追いかけてくしゃりと撫でてやった。
「…逃げちゃおっかな」
「全部放り出して、か?」
「こんなこと考えてるって知られたら、益々アッシュが俺のこと嫌いになるな」
はは、と乾いた笑いが篭った音を立てる。泣いてはいないだろうが、どんな気持ちでルークがこの言葉を溢したか手に取るように分かってしまう。間違っていなければいい、なんて考えながら宥めるように髪を撫でながらガイの方も虚空に視線を滑らせて少し逡巡する。
「逃げちまうか」
「え?」
「そしたらまた、俺とルークだけの秘密、一つ増えるな」
瞬時に何を言われたのか理解できなかったのか、ぱっとルークが顔をあげる。ルークの方に視線を戻してにやりと笑うと、小指をルークに伸ばす。察したルークが嬉しそうに笑い返すと、自身の指をガイに絡めた。
もし本当に逃げてしまったとして、何処に逃げればいいのだろう。追っ手が来るのか来ないのか、それすらも分からない。
このバンエルティア号でギルドの一員でいる間は確かに自由なのだから、きっとその間に抜け出してしまえば自由が続くのではないか、なんて幼稚な考えなのはお互いに承知だ。
それでも、二人の逢瀬のために窓の鍵をひとつだけかけないように、復讐を孕んでやってきた男が恋しい存在に秘密を共に孕ませて生活してきたように、いつか二人で全てを捨てて逃げてしまうかもしれないという可能性も同じように秘密として二人の間で共有していくのだとしたら。
それはずっと離れないという誓いと共に、いつか密やかに叶う約束と同じものなのだろう。
Comments
Post a Comment